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白内障FAQよくある質問

白内障を手術せずに治す方法はありますか。

現時点では、白内障を手術せずに治す方法はありません。白内障は、眼の水晶体が濁ることによって視力が低下する病気です。現在、白内障の唯一の根本的な治療法は手術です。手術では、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを挿入します。

白内障の進行を遅らせるための方法として紫外線対策が推奨されます。また、臨床においては、ピレノキシン点眼が白内障の進行を遅らせる目的で使用されます。ピレノキシンは、酸化ストレスや代謝異常によって生成されたキノイド(Quinoid)と呼ばれる物質が、水晶体タンパク質に結合して変性を引き起こすのを抑制するとされています。

白内障は早く手術したほうがいいですか。

白内障の手術を行うタイミングは、個々の患者の視力の状態や生活への影響によって異なります。一般的に、手術のタイミングについて次のような考え方があります。

1. 生活の質に影響がある場合

白内障が進行し、視力が低下して日常生活に支障が出るような場合、手術を早めに検討することが勧められます。たとえば、読書や運転、仕事に支障をきたす場合は、手術を早く行うことで生活の質を改善できる可能性があります。

2. 白内障が進行し過ぎると手術が難しくなることがある

白内障が非常に進行して硬くなってしまうと、手術自体が少し難しくなる場合があります。進行した白内障は、水晶体が濁るだけでなく硬化することがあるため、取り除く際に技術的な難易度が上がり、リスクも高くなる可能性があります。そのため、あまりにも手術を遅らせるのは良くないことがあります。

3. 進行が遅ければ待つこともできる

一方で、白内障が初期段階で進行が緩やかである場合や、視力に大きな影響がない場合は、急いで手術を行う必要はありません。定期的な眼科の検診で白内障の進行状況を確認しながら、視力の低下が生活に支障をきたす段階まで待つことも可能です。

結論

白内障の手術のタイミングは、生活に支障が出るかどうかが最も大きな判断基準です。視力が低下している場合や、日常生活で不便を感じる場合は早めに手術を行うことが勧められますが、視力に問題がなく、進行が遅い場合は急ぐ必要はありません。眼科医と相談し、定期的な検査を受けながら最適な時期を決定することが重要です。

白内障手術の費用はいくらくらいですか。

1. 保険適用の場合

通常の単焦点眼内レンズを使用する場合、健康保険が適用され、自己負担額は健康保険の負担割合に応じて決まります。1割負担の方で、片目で約15,000円、、3割負担の方で片目で約45,000円です。

2. 選定療養(多焦点眼内レンズ)の場合

多焦点眼内レンズ(遠近両用のレンズ)を希望する場合は、選定療養に該当し、手術部分には保険が適用されますが、それ以外に自費の部分が発生します。選定療養費は医療機関とレンズの種類によって異なります。当院の選定療養費については、こちらのページに記載しております。

3. 高額療養費制度の適用

高額療養費制度を利用することで、自己負担額が一定額を超えた場合、その超過分が後に還付されます。年齢や所得によって負担限度額が異なります。また、上記の選定療養費には適用されません。

眼内レンズの耐久性は?何年ぐらいもちますか?

白内障手術で使用する眼内レンズは、通常非常に耐久性が高く、一生ものとされています。そのため、通常は入れ替えなどの再手術は不要です。

しかし、手術後年月が経ち、レンズを支えるチン氏帯という靭帯が弱くなってレンズを支えきれずにずれてしまう場合(眼内レンズの脱臼といいます)などは、再手術が必要となることがまれにあります。

また、レンズ自体の劣化ではなく、レンズを包む嚢という袋が濁って視力が低下する場合があり、これを後発白内障といいます。

後発白内障について

白内障手術後、数ヶ月から数年経って発症します。通常、白内障手術では、眼内レンズを水晶体嚢という袋の中に固定します。術後時間がたち、水晶体嚢にわずかに残った細胞が徐々に増殖して水晶体嚢が濁ったり、水晶体嚢と眼内レンズの間に濁った液体が貯留したりします。

症状は、かすみや視力の低下です。白内障手術をした後はよく見えていたのに、最近また見えにくくなってきた、などの症状がある方は、この病気の可能性があります。

後発白内障は、程度の差はありますが、白内障手術後の全例に生じます。視力低下を自覚する場合には、治療の対象となります。

治療はYAGレーザーで混濁した水晶体嚢を切開します。外来で簡便に行う事ができ、痛みもほとんどありません。近年使用される多焦点レンズは後発白内障の影響を受けやすいため、早めに治療したほうが良いとされています。

白内障手術後、いつから普通の生活に戻れますか。

白内障手術後、通常の生活に戻るまでの期間は個人差がありますが、一般的な回復の目安は以下の通りです

当日~

術後、特に安静にする必要はありませんので、当日手術後から、軽い歩行は可能ですし、デスクワーク程度であればしていただいて結構です。ただし、通常手術翌日まで眼帯をしていただきますので、転倒など注意してください。

翌日~

翌日の朝、診察して眼帯を外します。この日の夜から、洗顔、洗髪していただけます。

翌々日~

軽い運動など可能となります。屋外での仕事も徐々に再開していただけます。

術後数日~

視力が落ち着いてくる頃ですので、運転が可能となることが多いです。ただ、両眼の白内障手術を受けられる場合、一方の目のみの手術が終わった状態では、視力がアンバランスとなっているため、両眼の手術後にされたほうが良いと思われます。また、後述するように、術後の眼鏡合わせは通常術後1か月で行いますが、手術前と手術後で近視の度数が大きく変わる(軽くなる)場合は、早めに眼鏡合わせを行ってから運転されたほうが良いと考えます。

術後1か月~

手術の際の創部は術後1か月程度でしっかりしますので、その頃から裸眼での水泳なども可能となります。また、眼内レンズの場所が落ち着いて度数が安定しますので、通常この時期に眼鏡合わせが可能です。

ただ、ここに挙げましたのはあくまで目安です。個々の術後の経過によって変わる可能性がありますので、詳しくは診察時にお尋ねください。

日帰り白内障手術の付き添いは必要でしょうか。

当院では白内障術後、翌日まで通常眼帯を使用します。そのため、視界が制限されますので、帰り道に不安がある方やご高齢の方は、付き添いがおられるほうが安心だと思います。もし家族が遠方にいる場合や付き添いが難しい場合、友人や知人に頼むことも選択肢です。手術は比較的短時間で終わるため、協力をお願いすることができるかもしれません。

ただ、それも難しければ、クリニックビルの前までタクシーをお呼びすることは可能ですし、そのようにしておひとりで帰宅する方もおられますので、ご相談ください。

この度、視力の良い方の目の白内障手術を受けることになりました。もう一方の目は元々あまり見えません。この場合、眼帯はしますか?

視力の良い方の目を手術し、眼帯をすると、もう一方の目の視力が不良な状態では、歩行が困難となります。このような場合は、眼帯をせずに、ゴーグル型の保護メガネを手術室で装着して帰宅できます。通常、術後の点眼は、翌日眼帯を外して後に開始しますが、保護メガネを装着する場合、術後の点眼は当日より開始していただきます。

白内障手術をしても、よく見えない人がいるのはなぜでしょうか。

白内障手術を行っても、視力が思ったほど改善しないというケースでは、以下のような原因が考えられます。

1. 白内障以外の眼疾患の存在

白内障手術は、白内障によって視力が低下した場合に視力を改善する手術ですが、他の眼疾患が原因で視力が低下している場合は、手術後に期待通りの改善が得られないことがあります。具体的な例としては以下のような病気が考えられます。

  • 加齢黄斑変性: 黄斑という視力に重要な部分が加齢によって損傷を受ける病気です。白内障手術をしても、黄斑変性があると中央視野の視力は回復しません。
  • 糖尿病網膜症: 糖尿病によって網膜にダメージがある場合、手術をしても視力は改善しないか、部分的にしか回復しません。
  • 緑内障: 緑内障により目の神経が損傷し、視野が狭くなっている場合には、手術後もその状態が続きます。

2. 後発白内障

白内障手術後、数ヶ月から数年後に、レンズを包む袋である嚢が濁ることがあり、後発白内障といいます。YAGレーザーで簡単に治療でき、その場合視力は再度回復が見込めます。

3. 眼鏡やコンタクトレンズの調整不足

白内障手術において単焦点レンズを使用した場合、基本的に一か所にピントが合うようになりますので、それ以外の距離を見る場合は眼鏡が必要です。この眼鏡の必要性を理解し、眼鏡を調整することで、見やすくなります。

多焦点レンズを入れると、眼鏡が要らなくなりますか?

多焦点レンズは、複数の距離にピントが合うレンズです。ピントの合う場所によって、2焦点レンズ、3焦点レンズ、連続焦点レンズなどに分類されます。多焦点レンズは、術後なるべく眼鏡を使わずに生活したい方に向いていますが、それでも眼鏡を使った方が楽に見えるシチュエーションとしては、以下のようなものがあります。

①暗がり

暗所では瞳が広がって大きくなります。それによって、焦点深度が浅くなり、ピントの合う幅が狭まります。これは、一眼レフカメラで背景をぼかすときに、絞りを開くのと同じ原理です。

②近い距離

多焦点レンズは種類によって、最適な近方距離が決まっています。例えば、3焦点レンズでは近方距離は約40cmに設定されていますので、それより近い距離ではピントが合いにくくなります。

③小さい文字

辞書の文字など小さい文字を見るとき、網膜に映る文字を大きくするために目を近づける必要がありますが、そうするとレンズに設定された近方距離より近くで見ることとなり、見えにくいです。

こういった状況においては、軽い近用メガネ(いわゆる老眼鏡)を補助的に使用することで、快適な生活を送ることができると考えられます。

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