リジュセア®ミニ点眼による近視進行抑制治療
リジュセア®ミニ点眼薬とは
リジュセア®ミニ点眼薬は、アトロピンを0.025%に希釈したもので、2025年に近視進行抑制の治療法として国内承認されました。
近視は眼球が前後方向にのび(眼軸長が伸びる)ピントの位置がずれることで生じます。これを軸性近視といいます。
アトロピンは非選択性ムスカリン受容体拮抗薬で、網膜、脈絡膜、強膜に血流や細胞外マトリックス代謝などを介して作用し、眼軸長の伸長を抑制すると考えられています。
アトロピン点眼が近視進行を抑制することは比較的以前から知られていました。その反面、副作用やリバウンドの観点から、その最も至適な濃度を探る種々の研究が行われてきました。シンガポールで行われたATOM研究では0.01%アトロピンが効果とリバウンドの観点から至適とされ、マイオピン0.01%として販売、使用されました。しかしながら日本で行われたATOM-Jスタディでは0.01%アトロピンは一定の近視進行抑制効果が認められたものの、ATOMスタディで見られたほどの劇的な効果は見られませんでした。
今回、国内承認を目的としたORANGEスタディでは0.025%アトロピンが5~15歳の児童に対して投与され、近視度数と眼軸長の伸びのいずれも有効に抑制することが示され、リジュセア®ミニ点眼薬として使用可能となりました。
副作用
羞明(まぶしさ)10.9%や近見障害3.0%が挙げられます。いずれも軽度のことが多いですが、生活に支障がある場合は使用を中止してご連絡ください。
アトロピン点眼には、点眼中止後に近視の進行が加速する「リバウンド効果」が報告されています。したがって、点眼を中止する時期としては近視進行が緩やかになる10代後半以降が望ましいとされています。また、海外では近視がごく軽い、あるいは発症前の前近視に対するアトロピン点眼の有効性が注目されています。
オルソケラトロジー、あるいは今後使用可能となる近視進行管理眼鏡との併用など、種々の近視進行抑制治療の中心として、今後もアトロピン点眼は用いられていくものと思われます。
